雑誌「LEON」のコピーが素晴らしくキテます。
いつも思ってるんだけど、話の枕から本題に繋げるまでの導線が素晴らしい。
その中でも、これはすごい!と思った記事があったのでご紹介。
「LEON」2017年5月号p.41より転載。
「ジョルジオ アルマーニ」のスエードシャツ
勘違いから生まれる恋も悪くないオーストラリアにやってきたイギリスの航海家キャプテン・クックは、大地をぴょんぴょんと飛び跳ねる動物の名前を原住民であるアボリジニーに尋ねたところ、「カンガルー」と答えたところから、今日でもカンガルーはカンガルーと呼ばれているわけですが、ここには勘違いがあって、アボリジニーは「(名称はなく)飛び跳ねるもの」と答えただけ、というのだから面白い。スエードは雨に強いか否かという論争もちょいとそれに似ていて、「バックスキンは雨に強い」→「クロムでなめした革の内(裏)側をサンドペーパーなどで磨いて起毛させるスエードは雨に強い」となるのですが、実はコレ、バックは裏ではなくて、牡鹿(BUCK)の意。なのでスエードと言っても、牛や羊の革を用いたスエードであれば、やっぱり雨の日は気をつけたほうがよい、ということになるんです。この度リコメンドする「ジョルジオ アルマーニ」のスエードシャツは、極上の羊100%。「羊だから雨の日は着て出かけないように」なんて野暮なことを言いたくて話を展開したわけではございません。むしろ突然の雨には「濡れちゃうからどこかで雨宿りしよう」なんて羊の革を使って狼、いやオヤジのエスコート力を存分に発揮していただきたく。大丈夫、上手くいかなかった時は勘違いを言い訳にすればよいのですから。
要するに、『「ジョルジオ アルマーニ」のスエードシャツは雨に弱い』という26文字を550文字も使って書いているんです。
緑地と青地が話の枕、赤地が主文、357字使って前振りして、主文は108字。
いつも「LEONのコピーライティングはすごいなぁ」と思っていたけど、これは芸術的!
こんな文が書けるよう、見習いたいなぁ。(笑)