ことの発端
ことの発端は、知り合いがシンガポールに楽器持って路上演奏しに行くという話しを聞いて、いいなあー、うらやましいなあー、でもシンガポールでそんなことやって大丈夫かなー、なんてこと考えている内に、自分でも知らない間に行きたくなってしまい、結局行く事になってしまった、てことっす。
しかし、11月の頭なんて仕事が締め切りラッシュの時に、しかも前回のシンガポールで使ったクレジットカードの支払いがまだ口座から落ちきらないうちに、さらに年末の台湾行きのチケットを全員の分カードで立て替えて買ったばかりというのに、ホントに大丈夫なのかぁ? いや大丈夫じゃないだろう。冷静に考えれば。
路上パフォーマンス
ところで、あの厳しいシンガポールでストリートで楽器弾いてもよろしいのでしょうか? (^^;
シンガポールに詳しい人の話しによると、公演等を行う場合は許可が必要とのこと。公演といえるようなものではないけど、シンガポールの街中で楽器弾いている人なんて見た事ないしなあ。
無許可で行って、警察の人に怒られたら引き上げようみたいな話しをしてたけど、メンバーの一人がシンガポール領事館に問い合わせて、公園などで他の人に迷惑がかからない程度なら問題無い、との回答を得、大手を振って行ける事に。
これで入国審査の時に「いやー、知り合いに結婚式で弾いてくれって頼まれちゃってー。」なんてウソつかなくてもすむぞ。
10/12 航空券
いきなり行く事にしたからなんの準備もしていない。日程も差し迫っているし、早速航空券を手配する事にする。
格安チケットを扱っている会社に電話する。
「11/5出発、11/7帰国のシンガポール行きのチケット、ありますか?」
「行きのは手配できるんですけど、帰りはキャンセル待ちになってしまいます。」
やっぱりね。でも今回の粂内は今までとは違う。某所に電話する。
「11/5出発、11/7帰国のシンガポール行きのチケット、ありますか?」
「はい。大丈夫です。ご予約しますか?」
ふふふ。にやり。
シンガポール航空名古屋支社にチケットを受け取りに行く。席のリクエストも出すだけ出しておく。これで当日2時間前に空港に行って旅行会社のカウンターでチケットを受け取る必要もないし、しかも受け付けのおねえさんは美人だった。さすがSQ!
11/4-5を有給休暇にすれば夢の5連休でシンガポールを満喫できるところだったけど、仕事がやばそうだったので11/5のみ休みにしてシンガポール1泊3日の旅。ふつうこんなことしないよね。(^^; しかも帰国したその足で大学のOBコンサートの練習に参加。
チケットも手に入ったし、ホテルもどーにかなるでしょ。あとは仕事が入らない事を祈るのみ。(こればっかや、ホンマ (^^;)
どーでもいいけど、これが今年3回目のシンガポール。
楽器の運搬
楽器を飛行機で運搬することについて、シンガポール航空からの回答は、
「規定のサイズを超えるので機内持ち込みはできない。貨物室預かりになる。ただし、易損品という事で万一壊れた場合も補償できない。」
でした。まあ予想された通りです。
今回の話しを持ち掛けてきた人の所属する団体が海外公演(こちらは正式な公演です)に行った際、楽器を貨物室に預けたらネックが折れたという事があって、できるだけ機内持ち込みにしたいところだが、チェックインカウンターでごねるだけごねて、それでも駄目だったら万一の時は携行品保険で修理する事にしましょう。約款には易損品は免責である旨書かれていないので。
ホテル
他のメンバーもチケットを取れたらしく、ホテルもOrchard Hotelに決定。初めてのOrchard宿泊。
早速Asia Travelにて予約を入れる。最近non-smoking roomがデフォルトの雰囲気なので「高層階のスモーキングルームよろしくね。」とリクエスト出したら、返ってきたメールには「Non-smoking room and higher floor noted (subject to availability).」ヲイヲイ、官民挙げてオレにタバコ吸わせない気か!?(^^; 訂正するようメールを入れる。
気になるお値段はシングル一泊でS$138+++。日本の旅行会社手配とそう変わらない値段。
HOLD-O-MATIC
ところで、関係者はご存知なようにマンドロンチェロは本来座って弾くもの。東急ハンズでなにやら材料を買って、立って弾けるような装置を製作しました。
なにやってんだか・・・。(^^;
メンバー紹介
ところで簡単にことの経緯とメンバーを紹介。
まだまだ不況の続くこのご時世に、こんなことのために有給を取ったなんてことが上司にバレるとリストラの対象になりかねないので、人物は一部仮名で紹介。考えすぎ? (^^;
関西に母体を置く「京都マンドリンオーケストラ」は海外公演を行っているが、今年8月の北京公演に際しての練習後の飲み会で、また海外演奏をやりたいね、ということになったらしい。
スガハラ隊長達は、去年ドイツで行われた国際マンドリンフェスティバルの帰りに立ち寄ったイタリアのフィレンツェで路上演奏をしてきたそうである。それも、大胆にも藤掛さんの「パストラル・ファンタジー」を! そんな彼らの間でまた路上演奏の気運が高まり計画が実行された。
そういう素晴らしい経歴(?)の持ち主の隊長(ギター)・氏本さん(マンドラ)・とーるさん(ギター)・きのやん(マンドリン)を中心に、一絵「おねえさま」(マンドラ)・さりえりさん(マンドリン)・粂内(おまけ)が集まり「新京都マンドリンアンサンブル」が結成された。(笑)
と思いきや、さりえりさんがDDRのやりすぎで足の故障を理由に残念ながらリタイア。そんな~、もうチケット取っちゃったのに~、てことでおねえさまの妹さん(一般人)の千絵さんを急遽巻き込んでメンバー決定。おねえさまはマンドリンにコンバート、妹の方は演奏中はショッピングに。
準備
わたしがギリギリのタイミングで参加して飛行機のチケットも危ないところだったのに、みんなはなんとまだ手配していなかったらしい。うーん、さすがいきなりシンガポールでストリートライブやろうと考える連中だけはある。(^^; さすがだ。
ホテルは四つ星で一泊一室\10,000~\12,000の線で探して前述のOrchard HotelがJTB手配で\9,700。各自手配してくださいってことで、わたしはAsia TravelのS$138で予約。みんなより安くついたと喜んでいたら「+++」の意味を忘れていた。まぬけ。(^^; 結局税込みで日本円にして一万円をちょっと超す程度。ま、いいか、こちらは朝食・プール・フィットネス込みだし。(笑)
選曲もメールで行う。シンガポールでメジャーな曲をやろう派、いや日本の曲をやろう派、いやいや知名度よりインパクトが大事だよ派に分かれて喧々囂々の大議論、てなわけでもなくなんとなくそれなりにしっくりくる選曲になった。よね?
11/4 前日
先発隊の一絵千絵コンビはシンガポールに出発。おねえさまは思い立ったらアジア諸国漫遊の旅に出る人だから海外旅行になんの問題もなし。それどころか、こんなリッチな旅、初めてとちゃうかな?
わたしはというと、本来なら10月末から11月頭にかけて出荷ラッシュのはずだったが、締め切りが延びて、それでもブツだけは本来の締め切りに合わせて作ってあったから、ヒマでヒマで。こんなことだったら今日からシンガポール行けばよかったわ。
いやー、ヒマすぎて風邪引いてしまいましたわ。
本業はそんな感じで暇だったんだけど、旅行関係が結構ハラハラされられました。JALカードが届いたのが旅行前日だったし、KrisFlyerのメンバーカードに至っては、どうも南パタゴニアのわたしの別荘に送っていたらしく、再送してもらうも旅行には間に合わず。
11/5 名古屋空港
10:00発の早朝の便だった事もあり、徹夜して始発に乗って空港に行く事にする。
さすがにチェックインカウンターには一番乗り。カウンター業務が始まるまで待っていると一枚の紙を渡された。「Y2K対策の為、今日はコンピュータを使わずに発券業務を行います。作業に時間がかかることをあらかじめご了承ください。 – シンガポール航空」
さて、カウンター業務も始まり一番乗りで航空券を渡す。「あれえ~!? 名簿に載ってない~~。」いきなりバグっとるやんけ。(^^;
問題の楽器の持ち込みは、客室乗務員の判断で貨物室行きになる可能性もある、との条件付きで一応許可をもらえた。
セキュリティチェックの金属探知器をいつものように鳴らして空港のお姉さんに体を触られて、外国製品持ち出しの申請をして、出国審査もなんとか通過して、やっとのことで待合室に。今回はエコノミークラスなので自腹でサンドウィッチを食べる。
11/5 SQ981便
今回は正規チケット&チェックイン一番乗りということで「一番前の窓側の席」と強気にリクエストしたが、残念ながら前から三番目の窓際。
わたしの後ろの席にはアフリカ系の人達が三人。日本-シンガポール便なんて日本人観光客しか乗らないのに珍しいなあ、なんて思っていたら隣の席はインド人でその隣は白人。しかもいきなり国際親善をしだす。あっけにとられていると隣のインド人が話し掛けてきて、
「シンガポールは観光か?」
「ええ。日本はどこに行ってきましたか?」
「高山。」
「観光ですか?」
「いや、僕たちはこれのメンバーでね…」
と、わたしに見せてくれたものは英語で書かれた某宗教団体のパンフレット。やめてくれー。(^^;
その後1時間ほど教義を聞かされて、これはたまらんと思い酒をばんばん飲んでフィリピン上空から先の記憶はないです。
11/5 Changi空港
入国審査ではなにも文句を言われなかった。ちっ、残念。
ところで、今回1カートンほどタバコを持ち込んだんですが、シンガポールへのタバコの持ち込みは1本から課税なんで、税関で「タバコを数箱持ってきているんだけど…」とポケットから吸いかけのタバコを見せたら、「いいから行け。」の仕草。ラッキー。
11/5 タクシー
空港からホテルまではタクシーで。
「シンガポールは初めてか?」
「いや、今年は3回目。」
と行った瞬間に遠回りをやめて最短距離に方向転換、なんてことはまずないので、シンガポールのタクシーは安心して乗っていいと思います。
11/5 ホテル – チェックイン
無事にホテルに着き、早速チェックインをする、なんてことは素人のやる事。
まずはドアマンがタクシーのドアを開けてくれるのをじっと待つ。
ドアを開けてくれると同時に笑顔で「Thank you. Check in, please.」。ドアマンにチップを握らせ、ベルに荷物を預ける。自分は手ぶらでレセプションへ。
ここで喫煙室・禁煙室の希望はしっかり言う事。そろそろ禁煙フロアが当たり前になってきたので一つ間違えるとスモーカーにとっては最後の聖地を奪われる事になります。
ここでもしっかり「禁煙室ですね?」と聞かれる。シンガポールは国を挙げてオレにタバコを吸わせたくないらしい。
11/5 ホテル – 部屋
スタンダードシングルで予約したのに、案内された部屋はデラックスダブルにアップグレードされていた。ラッキー。今まで宿泊したホテルに比べれば格が落ちるが、それでもバスと別にシャワーが付いているし、ベッドは枕が4つ並んでいる。ホテル側はオレにどのような寝方を期待しているのだろうか。
みんなの泊まるOrchard Wingから一人だけClaymore Wingにまわされたのが誤算といえば誤算。
荷物が運ばれてくるまで数時間ぶりのタバコを吸ってくつろぐ。
11/5 Bugis
ホントは先発隊と合流して夕食の予定だったが、待ち合わせに失敗して一人でBugisに行く。
写真はBugisのシガパル。
いやー、Bugisに来るとほっとしますわ。心のふるさとBugis。
歯磨きセットはシンガポール航空から調達したので地下のゲーセンでDance StageとPercussion Freaksをやる。
夕食はBugis JunctionのフードコートでCarrot Cakeを食べる。S$2。あ、Cakeといっても、ふわふわしたモチみたいなものに卵をからめて野菜を混ぜたちゃんとした中華風の料理なんで、念のため。
11/5 ケンチキ
夜に腹が減ったんでOrchard駅前のケンチキに行く。
ところでシンガポールの料理はみんな辛い、というか辛くするオプションが必ずある。料理自体は辛くないが、セルフサービスでチリソースをかける事ができたりする。
そういうわけでケンチキでも、「スパイシーチキンセット」というものはないが、普通のチキンセットに当然のようにチリソースが付いてくる。チキン2ピースのセットを注文したらチリソースが3つ付いてきた。最後の1つはコーラに入れろという意味だろうか?
11/6 全員集合
ところで今回シンガポールに終結したメンバーは住んでいるところも違えばシンガポール往復の飛行機も全員バラバラ。ただ決まっていたのは11/6の日中に演奏をする事と、11/6の深夜0時にホテルのロビーに集合する事のみ。前述のようにホテルも各々が別々に手配。噂によると個人での海外旅行初めての人もいたらしくて大丈夫かいな、と思っていたが、さすがみなさん大人、きっちり集合できた。2時間ほど譜面を広げて打ち合わせをする。ホテルのロビーで。
11/6 決行日の朝
日中は暑くて弾く気にならないだろうからと、当日は朝の9:00にロビー集合。
わたしとあねいもうとコンビは深夜の便で帰国するので、チェックアウトを済ませて飛行機の時間まで荷物を預かってもらう事にした。
まずは先発隊が見つけてきたRaffles Place駅前の広場に向かう。Raffles Placeっていうのはシンガポールのビジネス街の中心で、駅前にちょっとした広場があって、そこで弾こうという事に。
おねえさま「昨日色々回ってきたんだけど、ラッフルズ・プレイスって所が弾くのに丁度いい腰掛けるところもあるし、なんといっても人がたくさんいたし、オススメ。」
くめうち「でも今日、土曜日だぜ。ビジネス街に人はいないんじゃない?」
ともかく、MRTに乗ってRaffles Placeに向かう。千絵さんはショッピングに。友達が今度イタリアに行くとかで、PRADAのバッグを安く買ってきてもらう為、今回の旅は下見。
11/6 Raffles Place
さあ、とうとう最初の公演地のRaffles Placeに到着。
さすがにみんな緊張しながら弾く場所を物色。おぉっと、ビルの警備員がこちらを見てるぞ。
楽器ケースを開けたり弾く準備をしていると、周りの視線が痛い、てほどでもなかったな。興味津々ではないけど全くの無視って感じでもない。でも氏本さんは日本の国旗まで用意していた。(^^;
気を取り直して(?)、一発目の「天国と地獄」を弾き出すと、みなさん吹っ切れたのか結構ノリノリで弾けたのではないでしょうか?
周りの反響はというと、大抵は「なんかやってるな~」ぐらいの反応で、ときどき興味を持ってこちらに来る人がいる、て感じ。
そこに一人の女性登場。やたら話し掛けてきて、彼女も楽器を弾いているらしく、「日本から楽器を弾きに来た。」と言うと、なんとなく意気投合。第2部の開催地のマーライオン公園まで案内してくれる事に。
11/6 マーライオン公園
彼女の名前はJacqueline。Jacquelineの案内でマーライオン公園まで移動。マーライオン公園はRaffles Placeが最寄り駅なんだけど、歩いて15分ほどの距離。熱帯地方の暑さに早くもみんなバテバテ。大阪の夏に比べればたいしたことないのになんでなんだ?
Jacquelineとは一緒に夕食を食べる約束をして別れ、公園に着いた時には既に演奏の事なんか忘れて休憩モード。いやー、ビールがうまいねぇ~。
ショッピングに行った千絵さんとは昼にMRT駅で待ち合わせになっているので、おねえさまが迎えに行った隙に男性連中はビール片手にどこの航空会社(のスチュワーデス)がサービスがいいか熱い議論を戦わせる。
ところで、行った人はわかっていると思うけど、マーライオン公園ってのはマーライオンが建っている空き地のことを指すのであって、葛西臨海公園やイギリスのハイドパークみたいなところをみなさん想像していたらしく、さすがマーライオン、世界三大がっかりの一つだけはある。
マーライオン公園から見たWestin Stamford&Plaza。
マーライオン公園から見たマリーナ地区。左からPan Pacific, Suntec City Mall, The Oriental, Ritz Carlton。Marina Mandarin はこのすぐ左。
11/6 Chinatown
MRTでOutram Parkまで行き、Chinatown Complexのフードコートで昼食をとる。一年ぶりにラクサを食べる。他の人達はなにかの麺とかギョーザ定食とか。ここでもビールが出てリラックスムード。シンガポールはみんな初めてのはずなのに順応が早いねぇ。さすが外国でマンドリンを弾こうなんて考え出す人達だけはある。
マーライオンの前ではお土産屋のビール飲みながら「観光地のビール\500の法則」などと言っていたのが、Chinatownの商店でポロシャツS$5を見た瞬間シンガポールの物価の相場がわかったのか、急にみんなの財布の紐が硬くなる。昨晩はこんな会話があったばかりだというのに。
隊長&とーるさん&きのやん「夕食はクラーク・キーでシーフードを食べてきたわぁ。安いねぇ。三人でS$40。」
くめうち「オレ、今日の夕食S$2。」
おねえさま「わたしS$3。」
昼食後は隊長の希望でSri Mariamman寺院に行く。この旅で唯一の観光。でも実はマーライオンとかラッフルズ卿上陸地点記念碑とか戦没者慰霊碑とか、結構観光スポットはおさえていたんですねぇ。気付かずに通り過ぎただけで。
11/6 Victoria Park
暑さとビールで初心を忘れかけていた一行だが、一念発起してVictoria Parkにて第2回シンガポール公演を行うことに決定。Victoria Parkってのはマーライオンの対岸の公園で、マーライオンを見るのに一番のスポットなんだけど、この場所は「当たり」でした。
まず、お客さんが多い。黙っていても次から次へと来る。マーライオンを見に。
それに、日常生活の例えば通勤途中の駅でギター弾いている人がいても足を止めることはないけど、ここに来る人はほぼ全員がシンガポールへの観光客。マーライオンの前で珍しいパフォーマンスを見ることができたと大喜び。オレ達の演奏をバックに記念写真を撮るカップルもいたぞ。
そんなこんなで日本・台湾・香港からの観光客相手に大盛況で、広島から来たという団体ツアー参加のおばさんもといおねえさまたちからおひねりを頂いてしまいました。(^^;
ここでも林(Linn)さんというシンガポール人のガイドさんと親しくなって、一緒にギターを弾いたりしました。ガイドの仕事をほっぽりだして。
Linnさんとは夜の10:00にホテルで待ち合わせてなにやら遊んだみたいですが、残念ながらわたしは帰りの飛行機のため参加できませんでした。なにがあったかというと、また別の機会にでも。
11/6 Bugis #2
約束していたJacquelineとの待ち合わせの為、またまたRaffles Placeへ。JacquelineにBugisでシンガポール料理が食べたいと希望を伝え、とりあえずMRTでBugisへ行く。
なにを食べるかについて、日本人とシンガポール人の間での国民性の違いと言語の障壁にはばまれてなかなか決まらない。
「なにが食べたいんだ? シーフードか? 中華料理か?」
「いや、シンガポール料理が食べたいんだ。」
「シンガポール料理といっても、いろいろあるけど、シーフードか? 中華料理か?」
「いや、シンガポール人が普段食べに行くような店で食べたい。」
シンガポールで評判の美味しい店に連れて行きたいJacquelineとシンガポール人の生活に直に触れたいわたし達の意識の差を埋めるのは大変だ。最後には「チキンライス」を連発して、この辺で美味しいチキンライスを食べれる店に連れていってもらえるよう決着がついた。に思えたが、
「その前にお土産を買いにスーパーマーケットに行きたいんだけど。」
「お土産か!? お土産ならChijmesで買うといいよ。」
「いや、お土産っていってもインスタントラーメンを買いたいんだけど…。」
「ヌードル? チキンライスじゃなくてヌードルを食べたいのか?」
「ちーがーう、夕食はチキンライスでお土産がインスタントラーメンなんだ。」
「だーかーらー、お土産だったらChijmesの方がいいものがあるぞ。インスタントラーメンなんか日本でいくらでも買えるだろうに。なんで日本人は日本で売っているものをもらって嬉しがるんだ?」
「いや、日本で売っていないタイプのインスタントラーメンがシンガポールには売っているんだ。」
日本の三大発明の一つがインスタントラーメンと思っているシンガポール人に、お土産にインスタントラーメンを買う日本人の国民性を説明するのには骨が折れた。
11/6 Cold Strage
なんとか説得に成功し(?)、それでもまだいぶかしげなJacquelineに案内されてSEIYU地下のCold Strageでインスタントラーメンを買う。
美人のおねいさんがコーヒーの試飲のサービスをしてたので、鼻の下を伸ばした男性陣がご馳走になる。美味しかったよ、じゃあね、バイバイ、とする瞬間、きのやんが動く!「これください!!」。なんでも翌日もまたこのスーパーに来て同じ事したらしく、シンガポールのスーパーでインスタントのカプチーノを4箱買う男。アホや。(^^;
お土産のインスタントラーメンを、「これ一緒に払っといて。」っておねえさまに渡したらJacquelineに怒られる。「なんでKazueに払わせるんだ!?」って。
しーまったー、レディーファーストの国だってことを忘れてた。「いや、まとめてKazueに払ってもらって、後から自分達の分をKazueに払うんだ。」ってとりあえず事実関係を説明したけどやっぱりJacquelineは納得しない。こんなところで文化の違いがでるのかと、失敗失敗。
11/6 夕食
カプチーノのおねいさんから解放されて(解放して?)、Jacquelineに連れられてチキンライスがうまい食堂に。そうそう、こういうところでメシを食べたかったのだよ、ありがとうJacqueline。チキンライスと(やっぱり)ビールを注文してもらって夕食にありつく。
左から、千絵さん・一絵おねえさま・Jacqueline
左から、隊長・きのやん・氏本さん
とーるさん、ごめ~ん。
チキンライス
11/6 Bugis Junction
夕食を終え、Jacquelineと別れる。
氏本さんが日曜日はショッピングの予定とかで、それではとロレックスの安いBugis Junctionに案内する。S$15のロレックスにみんな目を光らす。それ以上のことは言えませーん。(^^; 千絵さんもここで真剣に探せば本国より安いPRADAを見つけられたかも知れないのに。
一通り夜店を見た後はドリアンを食すことに。前回食べた時は、二度と食べることはないだろうと思っていたのに、今食べるとおいしいじゃん。あの「おねえさま」でさえギブアップしたのに。結局半分ぐらい食べてしまった。書いててまた食べたくなってしまった、ドリアン。
11/6 帰路
Bugis Junctionですっかり長居をしてしまい、この日帰国組の飛行機の時間が迫る。急いでホテルに戻り、荷物を受け取るや否やタクシーで空港へ。あねいもうとコンビ・粂内を除くみなさまはLinnさんとの待ち合わせの為ロビーでくつろぐ。
関空行きのANAに合わせての時刻では、まだ名古屋行きのSQのチェックイン時刻になっていなかったけどアーリーチェックインを利用し、そのまま姉妹の待つ(待っていなかった (^^;)ターミナル1へ。
二人を見送った後、トランジットホテルのシャワーを利用する。熱帯の灼熱の元、汗だくで歩き回った身体には気持ちいい。帰路の飛行機を汗だくのまま過ごすか、風呂上がりのさっぱりした身体で過ごすのかでは天国と地獄の差。たったS$5.25、利用しない手はないっす。
11/7 税関
帰りのフライトは無事だったが、無事でなかったのは税関。
税関でしっかり引っかかってしまい、楽器ケースの内張りの中まで調べられてしまいました。てゆーか、受け答えの印象、悪すぎ。
「どこまで行ってきました?」
「シンガポール。」
「何人で?」
「一人。」
「お一人でですか?」
「つーか、みんなで示し合わせて日本各地からシンガポールに集結しました。」
「ご職業は?」
「楽器弾くのも仕事のうちです。」
「観光ですか?」
「いや、マーライオンに日本の音楽を聞かせに。」
「何日間滞在しました?」
「一泊三日。」
「現地に知り合いはいますか?」
「はい。(Jacqueline)」
「あちらで人から預かったものはありますか?」
「はい。(チェロの譜面)」
「それでは、こちらに来てください。」
アフターケア
そんなこんなで無事帰国。翌日帰国組も無事に帰国できたそうだ。
帰国後に「Linnさんとの待ち合わせはどうでしたか?」ってメールで問い合わせると、返ってきた返事は
「うふふのふ。『ものすごい美女登場』とだけ申しておきましょう。」
「翌日『氏本の腰を砕けさせる』ものすごい事件があったことを付け加えさせて頂きましょう。」
いったいなにがあったんだ!? なんかすごい悔しい。